591af120.jpg変なタイトルをつけてしまいましたが、アッシュに10W-60の新製品が発売されたわけでも、発売されるわけでもありません。

最近、10W-60の粘度グレードを純正オイル指定されているドイツ車やイタ車(ボディにキャラが描かれているクルマではなくて.....;;)のオーナーさんから、「A.S.H.に10W-60はないのはどうして?」、「高性能エンジンなのに、高品質だと言われているアッシュオイルが入れられない」、「FSE 10W-60を作ってくれ」などのご質問や、ご要望をいただくことが多くなっております。

このようなお問い合わせを頂いた方には、「10W-50をご使用ください」ということと、各々以下の様な説明を回答をさせていただいておりますが、潜在的には同様の疑問や要望を持っている方がいらっしゃると思いますので、ここでも説明したいと思います。

まず、何故アッシュに10W-60が無いのかと言いますと、これだけの粘度幅のあるオイルは”ノーポリマーでは作ることが出来ないから”なのです。

以前にも説明させて頂いておりますが、その昔、オイルのグレードは40番、50番などのシングルグレード(●W-というウインターグレードがない)で、季節や外気温によってグレードを変えていました。
そこから一年を通じて同じ粘度で使用できる5W-30や10W-50など、いわゆるワイドレンジオイルが出来るようになったのは、高分子ポリマー(増粘剤)によるものなのです。

しかし、この水飴のような高分子ポリマー(以下、ポリマー)は、オイル試験機での見かけの粘度を出すことは出来ますが、実際のエンジンへの使用を考えると、悪影響の方が大きいと言えます。
一度、高い負荷と高熱に晒されてしまうと、ポリマー分子の継ぎ手が破壊され、二度と分子同士が手をつながなくなるばかりか、その分裂したポリマーは、オイルという液体の中で”スラッジ”というゴミになってしまうのです。
これを具体的に説明すると、製造された当初は60番のオイルでも、使用を始めて高熱・高負荷が繰り返されていくうちに50番、40番....と粘度が降下し、オイル自体も汚れていくことになります。
一概に距離で断定するのは難しいのですが、それなりの走りをした場合には、3000kmで60番の粘度を確保していることは難しいと考えられます。

その点で、アッシュは独自の技術でポリマーを一切使用しないでオイルを作っています(実は、一般カタログモデルではなく、整備工場などへの供給用にはポリマーを使用するアッシュオイルも存在していますが...)。
このノーポリマーオイルの原点は、往年のポルシェ、ジャガー、ベンツ、マツダ、トヨタ、日産などが積極的に参戦していた頃のル・マン24時間レースをはじめとする耐久レースから生まれたもので、油膜の強さと、それを長時間にわたって維持する能力を兼ね備えているのです。....というとカッコいい感じもしますが、実は、現アッシュの開発者である社長が、24時間で約5000kmも走る耐久レースに向けて、「無交換で走れるオイル」を作るために試行錯誤していた時、とあるワークスチームのオイル容器をピット裏のゴミ箱から拾って、残っていた中身を分析。その一般市販されていない特殊なオイルから多大なヒントをもらったもの....ギアオイルについても機会とチームは違うが、同様の手口.....(笑)だったりするのですが。その頃、私も同じ会社におりましたので、それをよく知っています。

そこから更に10数年が経ち、ノーポリマーで油膜性能の落ちないアッシュオイルの開発は、フルエステルを経てさらに熟成してきていますが、未だにポリマー無しの10W-60というワイドレンジを市販することは出来ていないのです。

アッシュは、高い品質を長期にわたって維持することを目的に開発しています。つまりアッシュの10W-50で安定した油膜の強さを維持していれば、10W-60の粘度が無くても、十分な潤滑性と、機関の内の保護を高いレベルで維持することが出来るのです。

確かに10W-60が純正指定オイルになっていれば、そこから他の粘度グレードに変えるのは勇気がいることでしょう。
しかし、実際にエンジンの中で表示番手からどんどん粘度降下していくことが考えられるオイルと、安定した性能を維持し続けるオイルとを考えると、純正指定の番手にこだわらずに選択してもよいと考え、お問い合わせの方々には、このようにご回答させていただいているのです。

オイルに限らず、何を選択されるかはそれぞれのオーナーさんの自由ですし、「指定番手以外は入れない」といったことも一つの考え方だと思います。
私は、お客様のこだわりや理論を論破をしてまで、アッシュオイルの使用を勧める意図はありませんので、誤解の無きようお願いしたいと思います。

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