a2e20dc0.jpgこんにちは。
みなさん、ここのところ、数多くのお問合せをいただきましてありがとうございます。なるべく早くご回答するように心がけていますが、時間がかかることもありますので、ご了承くださいませ。

先日、FD3Sのエンジンオイルについてのお問合せがありました。
既にご回答をさせて頂きましたが、基本的にはRX-8にも通ずるもので、お悩みのユーザーもいらっしゃると思いますので、今回はロータリーエンジンに対するオイル選びについての考え方を紹介してみようと思います。

RX-7&RX-8は、FD3S以降、暴力的な加速感はなくなったものの、ロータリーならではの、バイクで言えば2スト的な「吹け」と、「あら?エンブレない!」感覚は、いつ乗っても新鮮ですし、純粋にスポーツカー感覚として楽しめる数少ないクルマですよね。
思えば私が学生時代に、初めてサーキットを走ったのもSA22型RX-7のプロダクションカーで、あの「富士フレッシュマンレース」の全盛期でした...(GCの前座とか...古ぅっ!)。今の富士SWしか知らない人には、あり得ない程の危ないコースでしたし...。
今や次期RX-7の復活も囁かれては消え....を繰り返しているので、もっともっとロータリーを楽しむ人が増え、貴重な世界随一のエンジン形式の火を消すことがない様にしたいものです....それには買うのが一番なんですけどねぇ..。

さて、それはさておき、ロータリーエンジンが一般のレシプロエンジンと最も異なる点は、構造上、エンジンオイルが直接燃焼室に入り潤滑していることです。
個体差はあると思いますが、3000〜5000kmでオイルが500〜1000cc消費されながら(現RX-8の13B-MSPのオイル消費量は、かなり抑えられている様です)、冷却にもかなり貢献しているのです。
当然、オイルには、ロータリー特有の高い燃焼温度に晒されてもスラッジの出ない、焦げ付かないことが第一に求められますが、反面、あまり粘度を高くすると、ロータリーの持ち味であるレスポンスのよさをスポイルしてしまいます。そこで、ワイドレンジの...つまり固くて柔らかい...オイルが必要になります。

通常、ワイドレンジオイルを作る際には、柔らかいベースオイルに高分子ポリマーという"見かけの粘度"を上げる増粘剤というものを使い、高い粘度を作り出しています(基本的に5W-50、10W-60など、数字の差が大きいほど、ポリマーが多く使われる傾向があると考えてください)。
実は、この高分子ポリマーは、一度高温に晒されてしまうと、分子同士の結合が簡単に切れ、あとは二度と結合せずにオイルのなかに「ゴミ」となって、溜まっていってしまうのです。これがスラッジで、エンジン内部やオイルそのものを汚し、両方の耐久性を下げていくのです。

前にもご紹介した通り、A.S.H.のオイルは、ベースオイルから油膜が強固なものを使用し、高分子ポリマーを使っていません(※注)ので、ワイドレンジオイルでも、長期間にわたって強い油膜を維持できるのです。

A.S.H.のラインナップの中で、ロータリー用にワイドな粘度グレードを選ぶとなると、5W-40か、10W-50となります。
この二つのグレードがあるA.S.H.オイルは下記の通りです。

・FSE E-SPEC フルエステルオイル ¥3,990/1L(税込)
・FS PAO+エステルオイル ¥3,150/1L(税込)
・VSE VHVI+エステルオイル ¥2,625/1L(税込)

最もお勧めするのは、レスポンスや油膜の耐久性を考えると、なんと言ってもフルエステルのFSE E-SPECになってしまうのですが、
VSEであっても、一般の化学合成油と比較して十分にサーキット走行に耐える性能は確保されていますので、安心してお使いいただけます。

これからの季節で、サーキットなどのスポーツ走行をされるのでしたら、10W-50を。街乗りメインで、たまにはワインディングを気持ちよく走ってみる、という感じでしたら、フィーリング重視で年間を通して5W-40をお選び頂ければよいのではないかと思います。

<※注>
VSEの5W-40は、製造上、極少量ですがポリマーを使用しています。但し、一般のポリマーと比較してスラッジの発生を極力抑えたA.S.H.オリジナルのポリマーを使用しておりますので、他社同グレードより、優れた油膜保持力を発揮します。

以上、ロータリーエンジンについてのオイル選びをご説明しました。
また、みなさまから寄せられたご質問の中からもピックアップして、解説をしたいと思います。